2020年3月7日
本屋大賞受賞。超話題のノンフィクション。
「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」
著者でライターのブレイディみかこ先生の授業。
多様性が学べる「タンタンタンゴはパパふたり」という絵本も紹介されました。
ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー
息子さんの成長記
イギリスの港町ブライトンで、日本人の先生とアイルランド人の夫の間に生まれた息子さんの話。
タイトルは、息子さんがノートに書いた落書きの言葉です。
息子さんが通うのは、市の学校ランキング元最下位。
今は音楽やダンスなど、やりたいことを自由にできる方針にして、成績が上がり始めた学校でした。
人種も貧富もごちゃまぜです。
息子さんが、人種差別や同性愛、貧困などのいろいろな問題に触れながら過ごす日常を描いています。
貧困問題
イギリスでは、子どもの総人口の約三分の一が貧困。
フリーミール制度は、失業保険や生活保護を受ける貧しい家庭の子どもは、学食で食べ物が無料。
ただし限度額があり1日約320円、1か月約6400円。
使い切るとそれ以上食べられず、お腹がすいたまま過ごすしかありません。
貧困家庭の多い学校では、先生が家族分の食料を買ったり、定期代を出したりすることもあるそうです。
中古の制服を約100円で売るボランティアもあります。
人種問題
イギリスは移民が多い国。
日本人で暮らす外国出身者は約2%。イギリスでは14%以上。
息子さんの学校で人種差別発言する同級生は、周りから無視され、いじめられるようになりました。
そんな人種問題やいじめも、本の中では出てきます。
イギリスの教育法
イギリスの中学校では演劇の授業があります。
自己表現能力、創造性、コミュニケーション能力などが強化されます。
息子さんの学校では、新入生限定ミュージカルを上演するのが、毎年恒例。団結力と協調性を高めます。
またイギリスの学校では、シティズンシップ教育(市民教育)もあり、ボランティアや職業体験などを通じて、社会との関りを学びます。
エンパシー(感情移入)も学びます。
「エンパシーとは何か」という問題に、息子さんは「他人の靴を履いてみる」と答えて満点をとったそうです。
日本にはない授業ですね。
また、教科書はなくプリントを配って授業をします。
先生の力量で、学力に差が出ます。
ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー
タンタンタンゴはパパふたり
イギリスの保育園で人気の絵本。
16年にわたるベストセラー。保育園の古典とも呼ばれます。
仲の良いオスのペンギン2匹が、育児放棄された卵を温め、パパになったというお話。
色々な家族がいるという、多様性が学べます。